日本文化基本中の基本である挨拶。
挨拶の仕方は場面によって様々です。今月のKAIZEN便りでは挨拶本来の意味、お辞儀のやり方を紹介します。
① 挨拶の意義
挨拶は相手の存在を認め、「私はあなたとコミュニケーションが取りたい」、或は、「あなたは私がコミュニケーションを取るに値する人ですよ」という意思表示と考えられています。日本語の挨拶という言葉は「禅宗の問答」から来たものです。
挨拶の中で、「お辞儀」という行動を取ります。これは相手の前で身体を前傾する事です。お辞儀は「魏志倭人伝」にも日本人の習慣として記述があります。
② 日本風の挨拶
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日本挨拶の特徴は身体を接触させない事です。一定の距離で言葉を交わしながらお辞儀をします。
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外国にも軽い会釈の習慣はありますが、日本独特の深いお辞儀には多少違和感があるようです。
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立っている時のお辞儀は敬意を示す度合いによって15度の「会釈」、45度の「敬礼」、90度の「最敬礼」の3通りに分類されます。その中、90度の「最敬礼」は神前や仏前の儀式の時に使います。
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手は自然に下げ、頭・背中・腰を一直線にし、状況にあった角度までゆっくり曲げます。
③ 礼三息
礼三息は美しいお辞儀の基本です。礼をする時の正しい呼吸法で、挨拶しましょう。
1. 息を吸いながら上体を前傾させ、
2. その動作を止めたときに息を吐き、
3. また吸いながら姿勢を戻します。
礼三息でお辞儀をすると、背筋が綺麗に伸びて、美しく誠実なお辞儀をする事ができます。上半身はなるべくゆっくりと、相手の動きに調和するように静かに起こします。もちろん、形だけでなく、心の中で敬意や感謝の気持ちがあってこそのお辞儀です。
日本に住んでいる皆さん、是非礼儀正しく綺麗なお辞儀をしましょうね~~
★五節句(節供)って?
江戸時代に「重要な年中行事」として「年に5日」の祝日が制定されたものです。
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1月7日の「人日」
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3月3日の「上巳」
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5月5日の「端午」
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7月7日の「七夕」
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9月9日の「重陽」
では、具体的に、日本人は五節句に何をするのでしょうか。
① 1月7日:人日(じんじつ)
別名「七草の節句」。
古代中国では正月1日に鶏、2日に狗、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬、7日に人、8日に穀とされています。この正月7日(人の日)に、病気をかからずに、1年の無事を祈るとして「七草粥を食べる」風習があります。
② 上巳(じょうし)3月3日
別名「桃の節句」
3月の最初の「巳の日」という意味。「禊ぎをして穢れを祓い、身代りの人形に汚れをうつして河川・海などへ流す」風習などがあり、江戸時代以降「雛祭り」として庶民の間に定着しました。
③ 端午(たんご)5月5日
別名「菖蒲の節句」。
こちらも5月最初の「午の日」という意味。古くは「薬草摘みの日」であり薬草としての菖蒲(しょうぶ)が「尚武」の音に通じるとして、男子の立身出世を願う行事へ転化していったとか。
④ 七夕(しちせき)7月7日
別名「たなばた」や「笹の節句」。
有名な「おり姫(織女星)とひこ星(牽牛星)」の伝説は中国から伝えられたもの。日本にも「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説というのがあって、双方が結びついて「七夕」の節句となったそうです。
⑤ 重陽(ちょうよう)9月9日
重陽は「陽数の極」である「九」が重なるという意味。中国の風習が元になっており、宮中では重要な節句として位置付けられているものの、庶民には今ひとつ定着していないようです。