新型コロナウイルスに関する疑問を厚生労働省のQ&Aを参考にまとめました。ワクチンの開発状況や特効薬のこと、感染してしまった人はどういう治療を受けているのか、などについて8つの疑問に回答しています。様々な情報が拡散されていて、何が正しいのか、現在はどういう状況なのか、情報がまとまっていない人もいるかと思います。本記事を通して、情報を整理してみましょう。
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1. ワクチンの開発状況はどうなっていますか?
一般的に、ワクチンが開発されるまでには調査だけでも数年かかり、使えるようになるまで10年から15年かかるとされています。そうした中で、日本をはじめ世界各国ができるだけ早く開発できるように取り組んでおり、すでに臨床試験が開始されています。
★ ワクチンの開発状況については、下記のコロナニュースで詳しく紹介しています。ぜひ読んでみてください。
関連記事:「早ければ年内、世界各国で新型コロナウイルスのワクチン開発が進む」
2. ワクチンが使えるようになるのはいつ頃ですか?
具体的な時期は未定ですが、できるだけ早く使えるようになるために取り組んでいます。使えるようになるためには、ワクチンの効果、安全性、大量生産が可能かなど様々な確認をする必要があります。
3. ワクチンの開発に向けて、日本政府はどんな取り組みをしていますか?
まずは、政府としてワクチン開発に必要な予算をくんでいます。
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ワクチン開発のための研究費用(500億円)
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できるかぎり早く生産し、受けることが可能になる体制をつくるための費用(1,455億円)
次に、少しでも早くワクチンを使えるようにするため、世界各国とパートナーシップを締結しています。パートナーシップを結ぶことで、以下のようなメリットがあります。
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日本と海外の同時で研究を進めるため、ワクチンが早く開発される
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安定した価格でワクチンを受けることができる
4. 治療薬の実用化に向けた取り組みはどうなっていますか?
現在すでに別の病気に使われている薬が、「新型コロナウイルスにも効果があるのか」、「安全なのか」など、研究や臨床試験を進めています。一部には、治療薬の効果や安全性が認められたものもあります。
5. 特効薬がないのにどうして治るのですか?
現在は、ウイルスが増えることで生じる、熱や咳などの症状をやわらげるための治療が行われています(5を参照)。特効薬はありませんが、熱や咳などの症状をやわらげる治療は、体全体を元気にすることにつながります。全身が元気になることで、ウイルスが排除されて感染症が治るとされています。
6. これまで何人の方が退院され、どのような治療が行われたのですか?
8月26日時点で、陽性者63,060名のうち51,034名の方が退院をされています。全体で約80.9%の人が退院しています。退院をされた方々は、熱や咳の症状をやわらげる治療を受けました。
具体的には、解熱剤(げねつざい)や鎮咳薬(ちんがいやく)の投与、点滴などが行われています。肺炎を起こした人には、酸素を投与したり人工呼吸を行ったりすることもあります。
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解熱剤とは、熱を下げる薬のこと
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鎮咳薬とは、咳を落ち着かせる薬のこと
7. どうしたら治ったと判断されますか?
熱や咳などの症状がなくなり、鼻の中や気管からウイルスが検出されなくなったら、「治癒した(治った)」と判断しています。
熱が出てから、7日~10日程度たつと症状が落ち着き、PCR検査でも陰性になりやすいことが分かってきました。陽性者でも症状がある人、ない人で判断は変わりますが、10日前後で治っている人が多くを占めています。なお、退院した後の4週間は、毎日の体温測定など健康管理が必要です。
8. 新型コロナウイルスに感染すると免疫ができるのですか?
新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスをやっつけることができる「抗体」は作られますが、抗体がしっかりと働き、免疫ができるかは明らかになっていません。一度感染した人でも、再感染してしまった人もいます。
~実習生の皆さんへ~
新型コロナウイルスの感染から8か月が経ち、様々なニュースで見るようになりました。ベトナムと日本の間では一部の人たちが行き来できるようになったり、ワクチンの開発が進み、誰から優先的に受けることができるのか話し合われたり、世界全体が前に進もうと動いていますね。その中でも、たくさんの情報があるので整理が難しいと思います。本記事では、皆さんが正しい情報にアクセスできるよう、日本政府からの発表を積極的に発信しています。これからも、コロナニュースの確認、政府の発表や住んでいる地域からの発表を確認して、状況を整理するようにしていきましょう。現在の状況を知ることで、コロナの不安、ストレスはとても少なくなりますよ。
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