梅雨の間に35度以上の猛暑日を記録する地域があったり、梅雨が明けてからは40度まで記録されたりと厳しい暑さが続いています。太陽のひざしは免疫力を高め、心と身体も健康にする効果がある一方で、食中毒が心配されています。
新型コロナウイルスの影響により、病院へ行った時に熱があれば、食中毒でも感染を疑われます。夏は食中毒にかかりやすい季節なので、コロナだけでなく食中毒にも注意をしましょう。
出典:イラストAC
1. なぜ今年は特に注意が必要?
自粛期間で運動量が減り、気づかないうちに免疫が低下しています。免疫が低下していると、コロナはもちろん食中毒も防ぐことが難しくなります。健康な人でも、睡眠不足やストレス、偏った食事で免疫力は低下するので注意が必要です。
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自粛生活で体力や免疫が低下し、食中毒にかかりやすい
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今年は例年以上に猛暑が続くおそれがある
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気温や温度が上がる夏は、食中毒の菌が増えやすい
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自宅での食事やテイクアウトの機会が増え、食中毒の危険も高まる
2. 注意が必要な食品と予防方法
食中毒は夏だけでなく1年を通して発生していますが、70~90%は夏に発生しています。食中毒の原因となるウイルスによって症状は様々です。主に、発熱、腹痛、下痢(げり)、嘔吐(おうと)などの症状を起こし、数日から2週間程度続きます。基本的な予防方法は、食材を加熱すること、調理器具や手指はしっかり洗って消毒することです。
3. 新型コロナで特に注意すること
① お弁当を手作りするとき
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作る人の手指に傷があると、傷口から細菌が食材にうつり、食中毒になる場合がある
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料理をする前にしっかりと手洗いをする
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おにぎりなどは素手で握らないようにする
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水分の多いもの、残りものは使用しない
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おかずやご飯は冷めてから、それぞれ分けて詰める
② 食材の保存
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買い物に行く時は、保冷剤や保冷バッグを使う
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買ったものはすぐに冷蔵庫へ入れる
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料理したもの、食材が余ったら必ず冷蔵庫に入れる
※ 冷蔵庫で保存をしていても、食材は少しずつ傷んでいくので注意が必要です。保存をしたら、なるべく早く食べるようにしましょう。
4. 食中毒を予防する3つの原則~つけない、増やさない、やっつける~
① 細菌を食べ物に「つけない」
② 食べ物についた細菌を「増やさない」
③ 食べ物や調理器具についた細菌を「やっつける」
この3つがとても大切です。
出典:看護roo!看護師イラスト集
5. 家でできる食中毒の予防
① 食品の購入
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寄り道をしないでまっすぐ帰る
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肉と魚はそれぞれ分けて包む(保冷剤や氷があると良いです)
② 家での保存
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買ったものはすぐに冷蔵庫へ入れる
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冷蔵庫に食材をたくさん入れない(目安は7割くらい)
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肉・魚は汁がもれないよう袋に包んで保存
③ 料理の準備をするとき
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生ごみはこまめに捨てる
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肉・魚を切った調理器具には熱湯をかけておく
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こまめに手を洗う
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野菜もよく洗う
④ 料理をするとき
⑤ 食事
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食事の前に手を洗う
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清潔な食器、器具を使う
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長い時間、食事をそのままにしておかない
⑥ 残った食品
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時間が経っているもの、少しでも怪しいと思ったら思い切って捨てる
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手を洗い、清潔な容器で保存する
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早く冷えるように小分けにして保存する
参考動画:厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
日本語の練習としても、ぜひ見てみてくださいね。イラストで紹介されていますよ。
~実習生の皆さんへ~
新型コロナウイルスにより、生活スタイルが大きく変わりましたね。オンラインパーティーやお家で過ごす時間が増え、料理をする機会も増えたのではないでしょうか。実習生の皆さんは、仕事に行く時のためにお弁当を作っている人が多いと思います。今年の夏は特に暑いと言われており、食中毒にかかる人もでてきています。特に夏は、お弁当を作る時、保存する時、持っていく時、いつもより注意が必要です。食中毒は防ぐことができます。今、医療機関は、新型コロナウイルスの対応で大変な時です。皆さん自身の健康はもちろんのこと、医療機関で働く人たちに負担をかけないためにも、食中毒の予防を実践し、食中毒を起こさないようにしましょう。
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