経済や金融情報を発信するアメリカ情報誌ブルームバーグは、コロナ禍でも安全な国と地域のランキングを発表しました。ブルームバーグ社は、新型コロナによる影響が少ない国と地域について毎月データをとっています。本記事は、2020年12月のデータをまとめた内容です。
出典:Adobe Stock
1. 順位のつけ方について
ブルームバーグ社がまとめたこのランキングは、経済規模が2,000億$(約20兆6,900億円)を超える53の国と地域を対象にしています。感染者数だけでなく、死亡率やワクチンがどのくらい用意できているのか、という項目も評価対象になっています。感染者が少ないから安全、多いから危険というわけではないということですね。
【主な評価項目】
-
感染者の増加ペース
-
死亡率
-
検査体制
-
医療体制
-
移動の自由
-
ロックダウンなどを行った時の経済への影響
2. コロナ禍でも安全な国と地域、日本は7位
下記の表は、53か国を対象にしたコロナ禍でも安全な国の順位です。青色が「改善している」項目、赤色は「悪化している」項目です。ワクチンはこれから準備していく国が多いので、ほとんどの国がまだ赤色です。
12月の順位は日本が7位、ベトナムは12位でした。
【日本について】
11月の順位で日本は2位でしたが、冬になり感染者が増えてしまったことで7位に下がりました。しかし、他国に比べて「感染者数」や「死亡者数」が少ないこと、「ワクチンの供給率」が高いため上位で評価されました。1月21日現在、76.4%の人が完治しています。
【ベトナムについて】
12位のベトナムは、上位15か国の中でも感染拡大に最も成功している国です。ベトナムでも1位のニュージーランドと同様にいち早くロックダウンをして、感染拡大を抑えました。1月21日現在では、91%の人が完治しています。
順位の低さは、「ワクチンの供給率」が原因だと考えられます。しかし、ベトナム国内でもナノゲン社(Nanogen)など4社がワクチンを開発中です。2021年5月には使えるように進めているので、順位は上がるかもしれませんね。
出典:Bloomberg ”The Best and Worst Places to Be in Covid: U.S. Sinks in Ranking”
*累計感染者数、完治者率は米国ジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター (CSSE)のデータ参照(2021年1月21現在)
3. 新型コロナの対応が上手な国と地域、日本は8位
下記の地図は、53か国を対象にした新型コロナの対応状況を色別で表したものです。青色はうまく対応できている、赤色が対応に苦戦している国と地域です。全体を見ると、アジア太平洋地域が順調なのに対し、西ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカは苦戦していることが分かります。
出典:Bloomberg ”The Best and Worst Places to Be in Covid: U.S. Sinks in Ranking”
~実習生の皆さんへ~
新型コロナウイルスとの闘いから1年が経ちました。各国、各地域によって感染対策は様々ですが、それぞれに合った方法で感染拡大を止めようと頑張っています。感染者数も状況を知るためには大切な数字ですが、その中には無症状の人、軽症の人がたくさんいます。治った人もたくさんいますね。
「数字を見てこわがりすぎないこと」、「正しい情報を集めて落ち着くこと」、「コロナだからと諦めないこと」、皆さんがキャリアプランを考える上でもとても大切なことですよ。
また、今回まとめた「安全な国の順位」は最終的なものではありません。状況は毎日変わっているので、引き続き気を引き締めていきましょう。マスク、手洗い、消毒、3密を避けるなどの感染対策をしっかりと行っていれば、感染している地域にいても感染から身を守ることができます。一人一人ができる「感染予防」を徹底して、一緒に乗り越えていきましょう。
出典: