アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が共同開発したワクチンを接種した人を研究したところ、このワクチンで重いアレルギー反応が起きる確率は非常に低いことが分かりました。
出典:NIKKEI STYLE「コロナワクチン、副作用リスク低い 米CDCが調査」
関連記事:
1. 副作用のリスクは非常に低い
アメリカ疾病対策センター(CDC)は2021年1月6日、コロナワクチンによるアナフィラキシー(命にかかわるおそれのある重いアレルギー反応)が起こるリスクは非常に低いことを発表しました。アメリカでは、2020年12月から、ファイザー社とビオンテック社が共同開発したワクチンの接種が始まっています。
このワクチンは2回接種するように言われていますが、1回接種をしてアナフィラキシー反応があった人は、およそ0.001%という結果でした(9万人に1人)。
2. 現時点で、ワクチンの効果は2つ
ワクチンには、感染してしまった時の「発症を予防する」効果、「重症化を予防する」効果が期待されています。また、新型コロナウイルスの流行自体を抑えるためには、感染しないための「感染予防」が重要です。
ただ、現時点では、どの新型コロナワクチンも「感染予防効果」を臨床試験で確認するのは難しいとされています。これからワクチンを接種する人が増えたら、「感染予防効果」があるかどうかデータが取れるようになります。
3. ワクチンは接種した方が良い?
医療従事者など感染リスクの高い人、高齢者や基礎疾患があり重症化・死亡のリスクが高い人は接種した方が良いとされています。なぜなら、「ワクチンを接種しないで重症化」するリスクの方が高いからです。
また、ワクチンを接種した方が良い人は、年齢や健康状態、生活環境によって個人差があります。接種を考えている人は、自分の状態を総合的に判断して、医師と相談をして決めてくださいね。
4. 日本国内の状況
日本で使われるワクチンまだ決まっていませんが、安全性や有効性の確認ができたら、国内産・国外産問わず接種を開始したいと考えています。現在は、2021年2月下旬までに、医療従事者や高齢者など感染リスクの高い人から順番に接種ができるように準備を進めています。
-
接種開始:2021年2月下旬までに開始予定
-
接種対象:①医療従事者、②65歳以上の高齢者、③基礎疾患のある人、④高齢者施設などの従事者
-
対象年齢:16歳以上で検討中
-
接種回数:2回(※現在、日本が使う予定のワクチンの場合)
-
接種費用:無料
5. 世界で承認されているワクチン
WHO(世界保健機関)によると、臨床試験をしているワクチンは63種類です。そのうち6種類が承認されています。日本では、①アメリカのファイザー社とドイツのビオンテックが共同開発をしたワクチン、②アメリカのモデルナ社が開発したワクチンの2種類が承認されています。
~実習生の皆さんへ~
世界中で新型コロナウイルスのワクチンが開発されていますが、アメリカでは去年の12月から接種が始まりました。新しいワクチンなので、副作用を気にする人が多く、50%以上の人が「様子を見る」と考えているようです。そこで、ファイザー社とビオンテック社のワクチンを接種した人のデータを調査した結果、命に関わる重いアレルギー反応が起きるリスクは非常に少ないことが分かりました。
一般的に、ワクチン接種のあとは軽い副作用の出る人が多いです。例えば、打ったところが赤くはれる、頭痛、発熱などです。どんなワクチンでもよく起こる副作用です。重い副作用の発生の少なさを考えると、通常のワクチン接種に重いアレルギーを持っている人など以外は、自分の命、他の人の命を守ることを考えると、ワクチンは打ったほうが良いかもしれません。
深刻なニュースが多い中、ワクチンが開発されたり、接種できるようになったり、明るいニュースもありますね。ニュースを見るときは、感染者の数ばかりを気にしないでくださいね。「治った人はどのくらいいるのか」、「重症化した人は何歳の人が多いのか」、「どこで感染しているのか」、「ワクチンの開発状況はどうなのか」など、総合的にニュースを見るようにしましょう。
出典: