アメリカの大手製薬会社であるファイザーは11月9日、開発中である新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験において、「90%を超える予防効果があった」と発表をしました。
これは最終的な結果ではありません。ワクチンの実用化に向けた大きなニュースですが、事実や効果の確認には時間がかかりますので、各自情報収集をしていきましょう。
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出典:日本経済新聞「ワクチン開発、実用大詰め ファイザー先陣『9割で効果』」
1. ファイザー社のワクチン、予防効果は90%以上
アメリカの大手の製薬会社ファイザーとドイツの医薬品会社ビオンテックが共同開発するワクチンは、1人2回、3週間の間を空けて接種する必要があります。6か国(アメリカ、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、トルコ)、約4万3,500人を対象にした臨床試験では、感染を予防する効果が90%以上あることが分かりました。これからも臨床試験(※)は続けるため、効果は変わる可能性があります。
アメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインによると、緊急使用許可の承認をもらうためには、少なくとも50%以上が必要です。ファイザーの結果は水準を大きく上回りました。
※臨床試験(りんしょうしけん)とは、安全性や有効性を確認するための試験のこと
2. いつから使えるようになるの?
ファイザー社のワクチンについて、アメリカのメディアは「年内もしくは年明けにもワクチンが使えるようになる可能性がある」と報じています。日本では、10月に日本人約160人を対象とした臨床試験が実施されました。日本国内でも使えるように申請を目指しています。
3. 国民全員分のワクチンを確保する予定
厚生労働省は2021年前半までに、国民全員分のワクチンを確保する予定です。現在、欧米の製薬会社3社と契約をしており、ワクチンの開発に成功した場合はワクチンをもらう契約を結んでいます。
また、日本国内でも数多くの企業や研究機関がワクチンの開発に取り組んでいます。現在は、最短で2020年内に臨床試験を開始する企業が複数あります。
~実習生の皆さんへ~
新型コロナウイルスの流行を根本的に抑えるために、世界中でワクチン開発が進められています。新型コロナウイルスのワクチン開発は誰もが初めてですね。そんな中で、アメリカのファイザー社が開発を進めているワクチンで「90%以上の予防効果があった」と発表がありました。
嬉しいニュースですが、ワクチンの効果や効果の継続期間、副作用など、分からないこともあります。こういったニュースについては、こまめに情報収集をしていきましょう。
ワクチンが使えるようになったら、医療従事者や高齢者の方が優先して受けられる予定です。そのため、先に受けることができない健康な人や若い人たちは、免疫力をつけたり消毒をしたり、普段の感染予防の徹底が重要ですね。
若い人が感染しても、軽症の場合が多いと報道されていますが、万が一のことも考えて行動しましょう。感染予防は、「自分の命と大切な人の命を守る」ことに繋がります。
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