緊急事態宣言解除が解除されてから約1ヶ月半が経過しました。東京都では、新規感染者数が連日100人を超え、不要不急の他県への移動や外出を控えるように呼びかけています。
再び感染者が増えたことで不安に感じている人も多いかと思いますが、日本政府は、「緊急事態宣言を出した4月上旬の第1波とは状況が異なる」と述べています。現在の状況については、感染者数だけで判断しないようにしましょう。
フェイスシールドと飛沫ガードで感染を防ぐ飲食店の様子
出典:日本経済新聞「大阪・北新地、新たなネオン街へ 3密回避の接客探る」
~記事の概要(国内の感染状況の背景)~ |
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第1波と比べて、PCR検査実施人数が増えた
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接待を伴う飲食店(例:ホストクラブ、バーなど)での感染者が多い
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20代~30代の感染率が高く、軽症者が多い
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20代~30代の感染者が多いため、「重症者」と「死亡者」が減少
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入院期間が14日間から10日間になり、軽症者は早く退院できるようになった
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感染者を診療できる医療機関が増え、ベッド数にも余裕がある
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1. 第1波との違い
全国的に感染者が増えているのではなく、東京都の一部地域で、若い世代を中心に感染が広がっているということです。特に、「3密」になりやすい「接待を伴う飲食店」での感染が多いことが分かっています。経済が動き出したことで人も動くようになり、感染者数が増えていますが、重症者や死亡者の割合は減少しています。
※ 厚生労働省の報道発表資料を参考に作成。数字は月毎の人数を表示している。
2. 現在の医療提供体制について
現在の医療機関は、4月上旬の第1波に比べて余裕がある状況です。 入院期間の短縮、ベッド数の拡充により、医療機関への負担がかかりにくい仕組みができています。
【表1】 入院期間について
(解説)入院期間が14日間から10日間に短縮され、軽症者は早く退院できるようになりました。治った人は早く退院できるようになったため、医療機関への負担が少なくなりました。
【表2】 感染者用のベッド数について
(解説)入院や宿泊施設、自宅などで療養が必要な人は、7月1日時点で923人いますが、そのうち入院が必要な人は696人でした。696人に対して、用意されているベッドは19,606床ありますので、受け入れ状況に余裕があることが分かります。現在のベッド使用率は約3.5%で、約96.5%のベッドが使われていない状態です。
3. 感染者の多い地域(7月8日0時点)
7月8日、新規感染者が20人以上確認されている地域は、以下の通りです。こちらの地域に住んでいる人、行こうとしている人は、できる限り移動を控えましょう。また、新規感染者が0人の地域は、47都道府県中30府県です。
4. 【注意】 体調不良でも、病院に行かない人が増えている
感染リスクを避けるために病院に行かない人が増え、病気が悪化してしまうことが心配されています。体調の悪い時は、監理団体や企業の方に連絡をして、無理をしないでくださいね。病院に行ったとき、①自分の行動記録、②普段の体温、③症状などをできる限り細かく報告しますので、この時期は、いつも以上に体調管理を意識しましょう。
~実習生の皆さんへ~
経済が動き出したことで、6月下旬から感染者が増え始めていますね。感染者の多くは、20代~30代の若い世代で、これまで休業が続いていた接待を伴う飲食店で働く人、お客さんたちです。「3密」になりやすい環境で感染している人が増えているので、外出する時は、「マスク・手洗い・消毒・3密を避ける」などの感染予防を徹底しましょう。
最近では、様々な感染対策がとられていますね。お店へ入れる人の数を制限したり、列に並ぶ時は人と人との距離を空けたり、レジでは直接お金を渡さないようにしたり、飲食店ではテーブルに飛沫ガードが設置されていたりします。お店の入口に、アルコール消毒を置いているところもたくさんありますね。
「感染者が増えている」「今日は○○人増えた」と数字ばかりを気にするのではなく、どうして増えているのか、治った人はどのくらいいるのか、周囲はどんな対策をしているのかなど、全体を見られると良いですね。
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