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新型コロナウイルスはどのくらい長く物質に残存しているのか
2020/04/15
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ウイルスが付いているものを触ると、ウイルスが手についてしまいます。では、物質についているCOVID-19はどのぐらい残存できるでしょうか。

この記事の内容は2020年4月12日までの情報に基づき記載されています

出典:ロイター「米大、新型コロナワクチンの効果確認 数カ月で臨床試験」
https://jp.reuters.com/...

1. プラスチックの表面には3日間残存している

医学雑誌の一つとされる『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』に、米国の国立アレルギー・感染症研究所などの研究グループが2002年11月に拡大したSARSとの比較調査研究を発表しました。同グループが発表した論文(※1)によると、「5つの物質においてどのくらいウイルスが残存していたか」を調べた結果、プラスチックの表面上で最も長く残存していたことが分かりました。

※1:Myndi G. Holbrokk, et al., "Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, DOI: 10.1056/NEJMc2004973, April, 8, 2020
https://www.nejm.org/...

<調査結果>

実験した物質、物体 残存時間
新型コロナウイルス SARS
エアロゾル(Aerosol)※2 3時間 3時間
4~8時間 8時間
段ボール 24時間 8時間
ステンレス 48時間(2日間) 5.6時間
プラスチック 72時間(3日間) 6.8時間

(※2) 気体中を浮遊する微小な液体、固体の粒子のことで、霧や煙霧なども一種とされている。

2. 飛沫感染で付着したウイルス

厚生労働省によると、現時点で新型コロナウイルスの感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2つが考えられるとしています。新型コロナウイルスについてはまだ研究が始められたばかりですが、ウイルスがしばらくの間残存することが分かった今、感染経路を絶つことが大切です。

<感染の流れ>

<ウイルスの残存で注意する物質>

電車やバスのつり革 ドアノブ エスカレーターの手すり
エレベーターのスイッチ スマートフォン 紙幣や硬貨

関連記事:3月26日 「一人ひとりにできること~主な消毒場所について~」

3. 物質表面に付着している、新型コロナウイルスの除去・除菌方法

新型コロナウイルスは、エンベロープという脂質に覆われています。脂質、つまり油脂なので、フライパンの油汚れを石鹸で落とすように、手指や肌も同様に洗い流すことでウイルスを除去することができます。消毒用エタノールや石鹸、次亜塩素酸水を使ってウイルス除去しましょう。

関連記事:4月2日 「消毒剤『次亜塩素酸水』について」

~実習生の皆さんへ~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界では様々な研究が猛スピードで進められています。世界中の研究者が少しでも早く研究の成果を世界に共有すべく、オンラインでも多くの論文が公開されるようになりました。それでも毎日感染者の報告が上がっているのは、一人の感染者が複数人に感染させる拡大力があるからです。私たちの周囲をよく見まわしてみると、プラスチックやステンレスが日用品に多く利用されていることが分かります。このような物を介した接触感染を防ぐためにも、手洗いや消毒を徹底して1日1日を健康に過ごしていきましょう。皆さんの一つひとつの行動が、命を救っています。

出典:

厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
https://www.mhlw.go.jp/...html

Yahoo!Japanニュース
「新型コロナ感染症:ウイルスはどれくらい長く物質上にいるのか~残存率低下の条件とは」
https://news.yahoo.co.jp/.../

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