皆さんは今、ベトナム人として日本で生活をしていますね。技能実習生、エンジニア、留学生、特定技能外国人などとして日常生活を送る中で「外国人として海外で生活するということ」について考えたことはありますか?日本人はベトナム人のことをどう思っているのだろう?ベトナム人は日本人からどう見られているのだろう?と考えたことがある方もいるでしょうか。今回は、この疑問を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
出典: Adobe Stock
1.日本人はベトナム人のことをどう思っているんだろう?
今回の記事では、日本にずっと住んでいてベトナムのことをよく知らない日本人、皆さんを通じてベトナムを知る日本人についての話をするという前提のもと、進めて行きます。
結論として、日本人それぞれによって、ベトナム人のことをどう思っているのかは異なります。日本人の中にも、ベトナム人は真面目だと思う人もいれば、そうではないと思う人もいます。ではなぜ、人によって考え方が違うのでしょうか?
理由は、その日本人が関わっている/一緒に仕事をしている/知っている/出会っているベトナム人が異なるからです。日本には沢山のベトナム人がいますが、その中には真面目な人、明るくて元気な人、挨拶をしっかりする人、仕事に真剣に取り組む人もいれば、我儘な人、思いやりのない人、仕事をさぼる人、犯罪を犯す人もいます。そのため、その人が出会うベトナム人によって、日本人がベトナム人をどう思うのかは異なるのです。ベトナム人一人一人の行動が、日本人一人一人の抱く印象やイメージを大きく左右する、ということになります。
2.皆さん一人一人が“ベトナム人の代表”である?
1では日本人のベトナム人に対するイメージは、人によって違うという話をしました。このことは、皆さんと関わっている日本人にとって、皆さん一人一人が“ベトナム人の代表”であるということを意味しています。どういうことでしょうか?
例えば、会社の人から元気で明るくて素晴らしい、真面目で仕事によく取り組んでくれる、努力家だと褒められた、日常生活で近所の人やコンビニ等のお店の人と顔見知りになり仲良くなった、日本語の勉強を頑張っていて凄いねと言われたなど、皆さんにはそんな素敵な経験がきっと沢山あるだろうと思います。
その様にして日本人がベトナム人に抱いた印象は、「あなた=ベトナム人」と繋がっていきます。日本人は「あなた(●●さん)」が明るく元気であれば、「●●さんのように”ベトナム人“は明るくて元気なんだな」と思います。「あなた」が真面目であれば「●●さんのように”ベトナム人“は真面目なんだな」と思います。もちろん逆も然りであり、「あなた」が我儘で自分勝手であれば「●●さんのように”ベトナム人“は我儘で自分勝手なんだな」と思われてしまいます。
日本人はいつでも皆さんのことを、日本のどこにいても、何をしていても、”ベトナム人の代表“として見ています。
3.日本とベトナムの関係に、皆さんが関係している?
実は、皆さんが周囲の日本人からどう見られているのか/思われているのかは、一番身近に日本とベトナムの国と国との関係構築に繋がっている、と言ったら皆さんは驚くでしょうか?ただの人と人の関係が、国と国の関係に繋がるなんて、大げさだと思う方もいるでしょうか?
”国“というのはとても大きな枠組みであるため、日越の関係を自分のこととして考えることは少し難しいかもしれません。しかし、日越の関係を皆さんの日常に置き換え、“日本人とベトナム人の関係”として考えると、より身近なものとして捉えることができるのです。皆さんは「自分の友達が日本に来た時、困ったときに誰かに助けてもらえるかもしれない。自分の家族が日本に来た時、力になってくれる日本人がいるかもしれない。」と思ったことはありますか?それは、今現在日本で暮らしている“ベトナム人の代表”である皆さんの意識と行動で実現が可能なのです。「“あなた=ベトナム人”が困っていたら助けたい、出来ることがあれば協力したい。」と思う日本人が沢山いる社会を実現出来るように、皆で力を合わせて一緒に、そんな素晴らしい環境を作り上げていきたいですね。そして、それぞれの日本人がベトナム人と良い関係を築き、お互いを身近に感じることに繋がると、お互いの国・人をより思いやるようになり、今後もより良い関係を構築したいという気持ちや考えが生まれます。素敵なベトナム人に出会う日本人が増えれば増えるほど、その想いは大きくなっていくことでしょう。そしてそのことは、6月14日のコロナニュースにて紹介したワクチン提供などの国際協力に繋がっていると言っても過言ではありません。皆さんの身の回りにある“日本人とベトナム人の関係”は小さなことの様に思えますが、それによって生まれた人と人とのお互いを思いやる気持ちは、有事の際の募金や応援・支援等に繋がり国を動かすこともある程、とても大きな影響力を持つことなのです。
4.日本という外国で暮らす皆さんへ
この記事を読んで下さっている皆さんに、自分に対して、「私は“ベトナム人の代表”として恥ずかしくないように日本で暮らしているだろうか?」と質問をしてみてほしいです。その問いに対して、自信を持って「はい!」と答えられる方も沢山いるでしょう。そんな皆さんは、これからもぜひより一層素敵な関係構築を進めて行って下さい。そしてその輪をより多くのベトナム人が広げていけるように、周囲の仲間を手伝ってあげて下さい。一方で、自信を持って答えることが出来ない皆さんは、少しずつでも自己を改善させるための行動を実行してみませんか?遅すぎることなんて、全くありません。日越の架け橋となっている日本での皆さんの毎日が、より幸せで実り豊かなものとなるように、周囲との関係を作っていけたら良いですね。