アメリカの政治専門紙「ポリティコ」が行った「新型コロナウイルス対策を最も効果的に行っている国ランキング」では、30か国中第1位という評価でした。今回は、ベトナムの対策から、日本にいる私たちが学べることについてご紹介します。
▲ ハノイ、3週間続いた外出制限が緩和された街を行き交うバイク
出典：朝日新聞デジタル「いまだ死者ゼロの国 隔離を強制、厳しすぎだと思ったが」
1. 新型コロナウイルスの現状（6月9日時点）
感染者数、完治者数、死亡者数については、米国ジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター (CSSE)の統計をもとにしています。
ベトナム
日本
世界
2. ベトナムのコロナ対策
ベトナム政府の対策を見ると、経済よりも国民の健康と命を守ることを最優先にして「一人ひとりに危機感を持ってもらう」ための対策をとっていることが分かります。
感染者に関する「情報を早く公開」する
ベトナム保健省は、ウェブサイトと新型コロナウイルスの情報をまとめた公式アプリを開発して、感染者の「感染経路」「場所」「日時」に関する情報を素早く公開しました。国民に正確な情報を知らせることで、感染へのパニックを抑える効果があったのではないかと言われています。
国民へ周知させるための「広報活動」
ベトナム政府は、「コロナの流行と戦うのは敵と闘うようなものだ」として、「ウイルスは国民共通の敵」というメッセージを強くアピールしました。世界的に手洗いダンスが流行したのも、ベトナムからでした。
症状がなくても隔離、大都市も隔離
3月に欧州からの帰国者をきっかけに感染者が増えたことを受けて、3月21日以降、3月21日以降、全ての入国者を隔離し、22日には外国人の入国を事実上禁止にしました。4月1日からは、ハノイやホーチミンなどの大都市を中心に約3週間にわたり外出制限を実施するなど、症状のない人も含めて、なるべく人と人が関わらないよう隔離措置を行いました。
3. 日本が学べること
ベトナム政府と日本政府では制度が異なるため、全てを真似することはできませんが、私たちが学べることとして以下の3つがあるでしょう。
なお、イギリスの調査会社ユーガブ社が世界26か国を対象に調査している、新型コロナウイルスに対する「危機意識」が高い国のランキングでは、4月13日時点でベトナムが1位（89%）、日本は2位（87%）でした。意識の高さが感染をおさえることに繋がっていますね。
※ 6月8日時点では、ベトナムが4位（81%）、日本が6位（77%）
～実習生の皆さんへ～
ベトナムでは、6月9日時点で感染者数が332人におさえられおり、死亡者が出ていないにも関わらず、他国に比べて危機意識も高いことが分かりました。それぞれ国の政策は異なりますが、感染者をおさえられている国の共通点は、「一人ひとりの意識と行動」レベルが高いということです。ベトナム政府が感染者に関する情報や対策を素早く公開しているように、正しい情報はとても大切です。皆さんも日本政府の情報、住んでいる地域の情報を意識するようにしましょう。「正しい意識と行動」があれば、感染のリスクは低くなり、「新しい生活様式」を取り入れながら、外にも出かけやすくなりますよ。
出典：
朝日新聞デジタル「いまだ死者ゼロの国 隔離を強制、厳しすぎだと思ったが」
https://digital.asahi.com/... （6月8日参照）
ダイヤモンド社 橘玲×ZAi ONLINE「【緊急レポート】新型コロナ対策優等生といわれるベトナム。在住日本人から見たベトナム政府の対応はどうだったか？」
https://diamond.jp/articles/... （6月8日参照）
Johns Hopkins University (JHU) “COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE)”
https://gisanddata.maps.../ （6月8日参照）
VN EXPRESS INTERNATIONAL “Vietnam best Covid-19 fighter in the world: Politico”
https://e.vnexpress.net...html （6月8日参照）
YouGov “YouGov COVID-19 tracker：fear of catching”
https://yougov.co.uk... （6月8日参照）
