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ベトナム経済誌にロンソン社長・校長のインタビュー記事が掲載されました。
2014/10/27
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ベトナム経済誌にロンソン社長・校長のインタビュー記事が掲載されました。

日本との投資提携:ゴールデンタイム
ベトナム企業は日本の投資家を誘致し提携を結ぶための「秘訣」を手に入れる必要がある。

誰でも自分の事業の進むべき道をもって起業をするものだが、ロンソン氏にとってのそれは越日のビジネスマッチングを軌道に乗せることだった。20年は人生からするとそれほど長い時間ではないが、各種のビジネスマッチングを実現するには十分な年月である。別名「テクノロジーのトランスポーター」であるロンソン氏は、ベトナムと日本の関係において今がゴールデンタイムであり、ベトナム企業が日本企業と「取引する」チャンスであると同時に日本からベトナムへの技術移転を拡大するチャンスであると考える。

このことについてEsuhai社長・Kaizen吉田スクール校長ロンソン氏に話を聞いた。

Esuhai社長Kaizen吉田スクール校長レロンソン

日本企業の投資動向は他の東アジアの国々と比べてどんな特徴がありますか?

人口1億2500万人の日本市場は中国経済が台頭する前は比較的安定していました。海外投資はあまり注目されず人々の関心は国内市場に向けられていました。グローバル戦略をもつ自動車や家電製品などの特殊な業界だけが非常に早くから海外投資を行っていましたが、それ以外のほとんどの企業では国内の需要を満たすため、国内市場向けの製造だけを行っていました。私たちベトナム人が「国内向け」と呼んでいる日本でしか手に入らない商品があることを皆さんご存知でしょう。この頃は日本が奇跡的な経済発展をしていた時代です。

けれども2000年以降消費傾向が変わり、日本経済は停滞気味です。海外投資はこの国のほぼ全ての企業にとって欠かすことのできないニーズとなっています。このニーズは特殊産業でも同様です。日本企業の投資には市場拡大と人材の穴埋めという2つの要素があります。日本企業は人を輸入して製品を輸出するのではなく、直接投資と技術移転を通して海外市場を「現地化」する傾向があります。

ベトナムと日本には共通する地政学的な背景があるため、関係を強固にすることが可能です。日本は共に持続可能な発展を目指すパートナーを探しています。ベトナムでは経済発展のため日本の科学技術への関心が高いです。越‐日の関係において今がゴールデンタイムと言えるでしょう。

東南アジアの近隣諸国の中でどうして日本の投資家はベトナムに魅力を感じるのでしょうか?

ベトナムは国民の平均年齢が27歳、人口に占める30歳以下の割合が6割という若い国です。ベトナムの人口構造は現在、戦後の日本と同じような構造をしています。ベトナムは、経済大国になった日本が奇跡的な発展を遂げていた頃と同じような段階に今いるのではないかと思います。日本の発展に寄与したのはものづくり産業の発展と若い世代の野心でした。

別の言い方をすると、日本企業の多くは若い世代の人材不足により技術の伝承の問題を抱えています。けれども、彼らは投資を通じて機械設備をベトナムに移転したり、ベトナム人実習生に技術を継承したりして成功を納めています。実習生たちはベトナムへ帰国後、ベトナムの日系企業で管理職として活躍するでしょう。

日本の投資家は一般的にどのような手順を踏むのですか?分野や業種ごとに違いはありますか?

製造業ではさまざまな優遇策があるため通常は100%日本資本での直接投資が多いです。投資家はとても主体的で取引先も市場も持っています。彼らは商品やマーケットの「現地化」を投資の目的としています。

取引、サービス、教育、保険・金融等の分野ではベトナムはまだ一部しか市場を開放していません。そのため日本の投資家は合弁やM&Aといった方法をとることになります。ベトナムはある程度マーケットができているため、進出してくる日本企業の注目の的となるでしょう。

技術移転に関して日本企業が投資する人間的な要素というのはどうでしょうか?

日本企業はいい人に出会えば技術を教えます。ですから、能力があり日本語ができて文化に精通しているベトナム人にとってはチャンスであり、日本に実習に行ったことのある人が選ばれて技術を教わったり日本企業の管理者になる機会を得たりしています。

すでにこのチャンスを掴んで日本の技術の「オーナー」になった若者たちがいます。外国直接投資(FDI)企業を通じての技術移転はそれを受け入れる人材がいなければ成功しません。FDI投資を誘致して25年たった今でもベトナムの産業構想が出来上がらないのは何故でしょう?それはFDI投資を誘致すれば技術移転できるという思い込みにあります。技術移転に相応しい人材の育成には注力していないのです。

日本企業はどのような基準でベトナムのパートナーを選ぶのですか?

会社の問題を主体的にコントロールし決定できることは日本の企業文化からしてポイントとなるでしょう。この点は、ベトナム企業との合弁事業においては非常に大きな影響を及ぼします。双方ともにこの点をよく考慮して統一させ、共通理解をもつことが必要となるでしょう。

ベトナム企業としては自身の人材に関心を持ち日本文化、特に日本の経営文化に精通するべきでしょう。そうでなければ日本企業が不安を感じ商談を中止することになるかもしれません。日本企業は業績や企業のトップも含めて非常に入念にパートナーを選定します。例えば、日本企業ではパートナーの選定にあたってはまず社員を先に行かせますが、ベトナムでは逆でオーナー自らが赴きます。そういうわけで、共同で事業を行おうとするときは共通理解が難しいのです。

ベトナム人のやり方は細かいことは気にしません。商談の際もベトナム側は大枠を決めてしまってから詳細を考えたい感じですが、日本人のやり方は逆で、細かければ細かいほど、詳細であれば詳細であるほど良いのです。ゆっくりですが着実ですから。ベトナム企業は商談を進める前に相手のことをよく知る必要があります。日本企業については辛抱強く接すれば成功のチャンスがやってくるでしょう。

 “Nhip Cau Dau Tu”誌より

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