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テーマ「人と仕事」中のロンソン社長【労働新聞より】
2014/11/04
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テーマ「人と仕事」中のロンソン社長【労働新聞より】

ベトナム知識人の育成

Esuhai社長のレ・ロン・ソン氏にとって日本へ労働者を送ることは国内人材を育成する最も効果的な方法だ。

Esuhaiは労働傷兵社会省から労働者の海外派遣認可を受けてまだ6年ですが、その間にEsuhaiは日本で組合50社と企業300社との関係を確立しました。労働傷兵社会省副大臣のグエン・タイン・ホア氏は、ロンソン社長率いるEsuhaiのようにサポート体制の整った良い労働者海外派遣機関はめずらしいと言います。

新しい方向を模索して

面接に合格して日本へ行く技能実習生たちに話をするロンソン氏 「日本へ技能実習生を送るのは労働力輸出ですが、利益は重視していません。私の望みは若い人たちが果敢に夢を持ち、考えて行動すること、いつも目標を持って努力すること、それによって自らを、国を高め豊かにすることです」とロンソン氏は言います。

1995年、ホーチミン市工科大学で技師を取得したロンソン氏は、将来は兄と金型鋳造の工場を開こうという思いで日本に留学しました。けれども日本に足を踏み入れた途端この国の発展した裾野産業の力強さに圧倒され、その心積もりを変えました。

「日本ではどこに行っても製造メーカーがあります。ベトナムが裾野産業を発展させたいなら日本のようにしなければダメだ、人がいなければダメだ。それが私が若者たちを日本に送ろうと決意した理由です。日本で新しい技術に触れ、やり方を学んでもらい、帰国後は国内の製造業でがんばってもらうのです。」とロンソン氏は打ち明けます。

そのアイデアが基になり、ロンソン氏は2000年に東京農工大学で機会の修士号をとってからも日本に留まり、ある技能実習生受入機関に職員として就職しました。その後は日本の経済産業省中小企業基盤整備機構アドバイザーに就任しました。日本での就職によってロンソン氏は信頼できるパートナーと出会い関係を築き上げました。

2011年に帰国すると、ロンソン氏はTracimexcoへ行き、日本市場向けの技能実習生の育成で提携したいと申し出ました。そして4年後、Esuhaiの前身となるANVINA社を設立し、その翌年にはホーチミン市Kaizen吉田スクールを開設しました。正しい道を選び、日本企業の中で信頼を築いたことで、2011年にはJICA-国際協力機構の海外投融資を受けESUHAI新社屋ビル・KAIZEN吉田スクール新校舎を建設し、技術者人材の教育を進めている。Esuhaiは日本の技能実習生市場で最も成功している企業であると、ベトナムの労働傷兵社会省および労働力輸出協会は高く評価しています。

遠くを見る

ベトナムは国際研修協力機構(JITCO)が管理する技能実習生制度を通して1990年代から日本と労働力協力をしています。この制度はベトナム人実習生が技能を高め、国内の経済発展を担うことを目的としています。けれどもこれまでは多くの企業が、実習生を日本に送り出したら終わりと考え、派遣後のサポートや、帰国後の雇用については考えてきませんでした。「一貫モデルを選ぶことで労働力輸出業界の古いやり方を変えたいのです。そうすることで初めて日本から帰国した実習生たちが安定した仕事に就くのをサポートできます。」とロンソン氏。

一環モデルに基づき、JICAの投融資を利用して2012年からEsuhaiは日本から帰国した実習生向けにレベルアップ研修を行うとともに「ビエックラムジャパン」というウェブサイトを立ち上げ、実習生に仕事を紹介し企業や工場に元実習生を紹介しています。それにより過去にEsuhaiが日本に送り出した3000人以上の実習生のほぼ全員が帰国後に再就職し、企業や工場の管理を任されています。

(株)キャムベトナム工場の金型生産部長であるグエン・クアン・フックさんもその一人です。フックさんはホーチミン市工科大学を卒業後、実習生制度を利用して日本に行き、3年間で知識・技能を高めました。「ロンソン社長の熱心さに説得されました。社長は僕たち若い世代に対する責任感が強いです。それで僕も今の成功を手にすることができました。」とフックさんは言います。

現在1200人以上の労働者がEsuhai-Kaizen吉田スクールで学んでいます。これは日本市場向けの予備人材で、労働力輸出業界の企業がどこでもできることではありません。さらに注目すべきことは、これだけの労働者を抱えながらEsuhaiは一般の企業がするような仲介業者との提携を一切行っていません。会社に信用があるので労働者は自らEsuhaiを探してきます。これが、ロンソン社長の信念になっていると同時に、彼の能力と洞察力が労働者輸出産業で高く評価される理由です。「果敢に考え行動する、ベトナム知識人の育成のしかたを知っている社長」とTracimexco副社長のブー・タイン氏は分析します。

労働新聞より

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