scroll top
日本で暮らしているベトナム人
2014/02/07
3712
ここ2年弱ほど北海道根室市の各水産加工工場で実習をしているベトナム人たちがいます。彼女たちは今までベトナム人が行くことのなかった地方に初めて行ったベトナム人です。

日本人と話し合い

地方祭りに参加

ベトナムの若者が高齢化が進んでいる根室市に活気をもたらしています。

日本人のマナーを身に付ける

"Nhìn các em thực tập sinh, tôi thấy hình ảnh của người Nhật 30 năm trước, những con người cần mẫn, chăm chỉ và cầu tiến. Đó cũng là hình ảnh của tôi, một thế hệ thanh niên Nhật ham học hỏi và chịu khó làm việc, tôi nghĩ đó là tố chất quan trọng để các em thành công sau này”."

Ông HIDEKI HIROTA giám đốc Công ty Kanehiro

株式会社カネヒロ(水産加工)で技能実習をしているフイン・ティ・ハー(29歳・アンジャン省出身)は根室に来てまだ1年未満ですが、根室市での生活がとても好きだと楽しく話してくれました。「こちらの生活はとても穏やかで、そして日本人と一緒に仕事できて日本人の仕事のマナーと勤勉さに触れることができます。」来日前ハーさんはベトナムの水産加工の会社でワーカーとして働きました。株式会社カネヒロでのハーさんの仕事は、頭を切って内臓を取るという鮭の加工作業です。作業内容はベトナムでの仕事と似ている部分もありますが、共同生活の経験ができ、収入が高い、そして何よりも日本人の仕事の仕方、マナー、ルールの勉強ができます。

同じく株式会社カネヒロで実習中のグエン・ティ・キム・イエンさん(31歳)は「ベトナムと比べてこちらでは、仕事の間に休憩時間がきちんと取れて、モチベーションを高めてくれます」と話してくれました。始業時間は朝8時で、その後1時間ごとに5~10分の休憩時間がはさまれます。終了時間は午後4時半、その後工場の掃除をして、5時10分には仕事が終わります。

また株式会社カネコメ高岡商店では、社員の休憩室に刺繍道具や積み木などリラックスできるものが整えられているので、女性社員は休憩時間に好きな手芸品を手作りできます。

イエンさんよると、実習では水産加工の知識を身に付ける以外にも、日本人の穏やかで正確な気質を学べることが一番大切とのこと。「説明してくれる方々はいつもベトナム女性実習生に親切に気配りしてくれ、優しくしてくれます。時々ケーキなどの小さなプレゼントや、作業道具、服などをくださいます。本当に嬉しいです。」とイエンさんは言います。来日前に9ヶ月日本語を勉強しましたが、今は流暢に話すことができます。

「ここでの実習で面白い点は、ずっと同じ仕事を担当するのではなく、交代で色々な仕事を担当するので、水産加工全体のプロセスを理解できます。」「そして私たち実習生へ対応は大変いいです。工場長やリーダーの人は実習生に怒ることはなく、ミスをしたら、丁寧に教えて改善してくれます」とイエンさんは言いました。

株式会社カネヒロは社員120人中20人がベトナム人、株式会社カネコメ高岡商店にはベトナム人実習生が12人います。共同生活の中で、実習生達はお互いに助け合っています。「1週間に1回スーパーへ買い物に行きます。暇な時間は日本語を勉強したり、買い物へ行ったりします。毎月社長がボーリングの券をくれます。ここでの生活は楽しく穏やかです。でも、時々ホームシックになります。」とイエンさんは話します。そのような時は談話室にベトナム人で集まって、家族のことや自分のことを話して楽しみます。

ベトナム人実習生

日越の架け橋として

株式会社カネヒロ・廣田秀樹社長(67歳)は明るく元気な社長です。鮮魚販売の店から1962年に株式会社カネヒロを成立し、現在3代目になりました。日本では3代目が難しいと言われていますが、廣田秀樹社長には当てはまらないようです。14年前に先代から会社を受け継いで以来、毎日早朝に起きて港へ行き、一番新鮮でおいしそうな魚を選んで製品の生産に尽力しています。廣田社長の息子さんは、父親の仕事を継がず東京で料理の勉強をしています。根室の水産業界では後継者不足という問題を抱えています。

廣田社長は私たちを実習生の寮に連れて行ってくれた時、「実習生の一生懸命で真面目で前向きな姿勢に、30年前の日本人の姿が重なりました。それは私たちの、勤勉で努力をした若いときの姿であり、それらは成功の為に大切な要素だと思います。」と言いました。

株式会社カネコメ髙岡商店・髙岡義久社長は現在12名のベトナム人実習生を受け入れています。ベトナム人実習生は住民に良い印象を与え、優しくて真面目、穏和な性格なので、今後は人数を増やしていきたいと言いました。

現在まで2回の受入れで、35名の技能実習生が根室で働いています。2011年の初回に10名、その後企業は実習生に良い印象を持ったので2回目は25名になりました。

根室が他の実習生受入れ場所と異なるのは、実習生の受入れを市役所が補助していることです。特に、長谷川俊輔根室市長は実習生の受入れに協力的です。市長にベトナム人実習生の受入れを後押しされ、両国の友好を築く企画の一部となりました。「根室はベトナムへサンマを輸出したいと思っています。日本で働いた実習生達が架け橋となって、ベトナムと根室市の関係を発展させ、経済的関係の発展の一助となってくれることを期待します。」と長谷川市長は語ります。根室商工会議所が地元企業に実習生の受け入れを推進することは、ベトナム市場に根室の水産加工品を輸出する礎となります。

実習生の送出し機関であるESUHAIのレロンソン社長は「大変寒い北海道にベトナム人の若者が現れることで、空気が暖かくなると思います。実習生が両国の親密な関係の発達に貢献し、文化の架け橋となります。長い目で見ると、帰国後の実習生は身につけた技術で自分の道を切り開き、社会の発達に貢献するでしょう」と話しました。

Tuoi Tre新聞により

セミナー、日本文化、経験者の話、ニュースなどの配信を希望される場合、メールアドレスをご記入ください。
同じカテゴリーの記事
この記事についてコメントする