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プラスチック成型のベテル、ベトナムに新工場
2013/08/07
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プラスチック部品成型を手掛けるベテル(茨城県石岡市、鈴木英一社長)は海外生産を始める。ベトナムに新工場を開設し、来年1月に本格稼働させる。

 プラスチック部品成型を手掛けるベテル(茨城県石岡市、鈴木英一社長)は海外生産を始める。ベトナムに新工場を開設し、来年1月に本格稼働させる。医療器具やインテリア製品向けなどのプラスチック部品を量産する。割安な人件費を強みに価格競争力を高め、海外市場を開拓する足がかりにする。3年以内に自社生産量を倍増させることを目指す。

 ホーチミン近郊の工業団地の貸工場を活用する。床面積は750平方メートルで、投資額は約2千万円。歯科治療や体の洗浄、薬剤の注入などに使う医療器具や住宅の遮光用製品などに使うプラスチック部品を射出成型で製造する。

 射出成型は熱で溶けた材料を金型内に勢いよく注入し、冷やして固める加工法。日本で手がけてきた量産型の製造工程を移管し、まず月10万~20万個の生産を目指す。徐々に業務を拡大し、金型の製作なども手掛けたい考えだ。

 ベトナムは経済成長や人件費の安さなどから、中国の代替地として外国企業の進出が相次ぐ。ベテルの新工場はベトナムをはじめとする東南アジアのほか、世界各地への供給基地と位置付ける。日系のほか外資系企業との取引拡大を目指す。

 今年10月に運営会社となる現地法人を設立し、ベテルの鈴木潤一副社長が社長に就く。ベトナム人を10人前後採用する計画で、石岡市の本社工場での研修も予定する。

 日本での生産は高度な技術や手間が要求される付加価値の高い製品に注力する。

 ベテルは独自の熱測定技術を持ち、物質内のさまざまな方向に熱が伝わる速さ(拡散率)を1台で計測できる装置を開発。熱の放出性能が高い樹脂など顧客の要望に沿った製品の開発を金型設計から部品成型・試作、熱解析まで一貫して手掛ける体制を取っている。国内はこうした製品開発などに一段と力を入れる考えだ。

日系新聞2013年8月7日より

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